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天気予報は、数値予報(コンピューターによる計算値)を参考にしています。

台風10号による大雨の予想(30日6時~31日6時)

アメダス地点 GSMガイダンス
30日6時~31日6時
実況アメダス降水量
30日6時~31日6時
盛岡地方気象台予想雨量(6時43分発表)
30日6時~31日6時
久慈山形 90ミリ 148.5ミリ 沿岸北部 最も多いところで350ミリ
下戸鎖 319ミリ 201.5ミリ
岩泉 262ミリ 183.0ミリ
刈屋 240ミリ 165.0ミリ
川井 240ミリ 172.0ミリ
大槌 223ミリ 180.0ミリ 沿岸南部 最も多いところで350ミリ
       
盛岡 42ミリ 7.0ミリ 内陸 最も多いところで250ミリ
花巻 34ミリ 6.0ミリ
北上 144ミリ 9.5ミリ
「GSMガイダンス」というのは、コンピューターを用いた数値予報の計算結果を用い、統計的な手法から気温、風向風速、降水量などを求めるものです。気象事業者には、アメダスの地点毎の値が配信されます。予測ですからもちろん誤差があります。台風の場合は、予想された進路通りにならなかった場合は、大きく数値が違ってしまう場合もあります。30日朝からの24時間の雨量についてみていくと、沿岸の大雨地点については、久慈山形で雨量を過小計算しています。下戸鎖?岩泉?刈屋?川井?大槌では、223~319ミリと計算されました。数値は過大ですが、大雨がしっかり表現できているところが重要です。ちなみに岩手県内で最も大量の雨が予想されたのが下戸鎖、実況でも下戸鎖だったので、大雨の場所も的確に計算できていたことになります。盛岡地方気象台は、沿岸北部?南部の最大24時間降水量を350ミリと発表し、この数字はテレビなどの報道機関でも流れました。実際の雨量はそれより少なかったのですが、30日朝の段階で岩手県沿岸の大雨は予測できていました。気象関係者と市町村の防災担当者及び住民とどれだけ危機感が共有できたかがポイントになります。大雨が予想されても対策をとらなければ、人的被害は減らせません。
内陸の雨が少ないことについても、北上で過大計算であったことを除けば、それなりに表現できていたようです。(データ:気象庁)

 

  台風10号による雨量と水位(30日12時~31日6時)

大雨となった岩手県沿岸の10分間降水量のグラフと河川の水位をグラフ化しました。北から南へ順に並べました。

場所の地図はこちらにあります(背景地図は「川だけ地形地図」)。

沿岸部の雨は東からの湿った風によって降りました。台風の中心が通り過ぎて、風向きが西よりに変わると雨は止みました。
水防法によって、河川の水位は、低い方から、「水防団待機水位」「氾濫注意水位」「避難判断水位」「氾濫危険水位」が決められます。これら基準水位は、すべての川で決められているわけではなく、例えば小本川は「避難判断水位」などの設定はありませんでした。

グラフには「避難判断水位」を点線でのせました。堤防高が示されていた地点はそれも示しました。

3時間雨量は、沿岸北部で多くなっており、特に岩泉では138ミリに達しました。

雨は沿岸南部では17時過ぎには止みましたが、沿岸北部では19時頃まで降り続いたところもあります。

各地とも雨のピークと水位のピークには数時間のラグ(時間の遅れ)があります。
水位の上昇は沿岸南部では16時頃から、沿岸北部では17時頃から始まっています。

グラフから急激に水位が上昇したことがうかがわれます。

岩手県管理河川の水位情報については、岩手県河川情報システム で参照が可能ですが、
豪雨当日の夕方は、非常につながりにくい状況でしたので、避難の判断に活用できたかはわかりません。
(サーバー負荷がかかったのかも。でも有事の際は、サクサクつながって欲しいと願っています。)

なお、国が管理する河川については、川の防災情報 で閲覧できます。

近年はインターネットで情報が閲覧できるようになって、便利にはなりました。
ただ、河川管理者が国なのか県なのかによって、サイトが違うというのは、あまり、好ましいことではありません。 

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