修了生の声

  • 2024年度 博士課程 修了

    榎本 裕美 Hiromi Enomoto

    勤務先 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構


    私が大学院進学を決めたのは、社会人として病院に勤務していた6年目のときでした。私の場合皆さんとは異なり、他大学学部を卒業後そのまま病院に就職しました。元々放射線治療に興味がありましたが、診断や治療分野の臨床や研究に触れ、やはり医学物理士として放射線治療の研究をしたいと考えました。
    大学院に入学した際は、知り合いもおらず働きながら大学院に行くことに不安を感じたこともあったように思います。しかし、先生方を初めとして研究室の皆さんも暖かく迎え入れてくださいました。また、大学内の設備の使用やゼミの参加についてもリモートで行えるように整備してくださり限られた時間を効率的に使うことができました。個人の状況に合わせた多くのサポートにより自分の研究に集中できることはとても良い環境だと思います。
    私は修士、博士課程とそのまま進学しましたが、5年間を過ごす中で研究に対する姿勢が変わっていきました。修士課程では研究内容を先生方とゼミや個別で相談しながら進め、学会発表を行い、論文執筆について指導していただきました。この中で、特に論文執筆をして研究内容をひとつの形にして発信する能力をつけたいと思い、博士課程への進学を決めました。博士課程では、主体性を持つことを念頭に置いて3年間を過ごしました。自分自身で研究内容を計画することから始まり、ゼミで議論し学会発表や論文執筆で発信する、といった一連の作業は研究に対してだけではなく、仕事や物の考え方にも活かせるところがあると感じています。特に博士課程では、修士課程や病院では経験できないことに全力で費やすことができ本当に価値のある3年間であったと思います。
    勢いで大学院に進学するもあり、研究をしてみたい、とにかく頑張ってみたい、厳しい環境に身をおいてみたい、など何でも大歓迎だと思います。是非、一歩踏み出してみてください。
  • 2024年度 博士課程 修了

    鶴巻 郁也 Fumiya Tsurumaki

    勤務先 東京都立駒込病院 放射線物理室


    私は、将来放射線治療を専門に働きたい(医学物理士になりたい)と考え、駒澤大学卒業後に修士課程へ進学しました。ただし、駒澤大学の修士課程にはそのまま進学せず、学費の面や地元から通学可能であることなどを考慮し、他大学の修士課程を選択しました。修士課程では毎日研究室に通い、放射線治療の研究に没頭しました。また、無事に医学物理士試験にも合格し、充実した2年間を過ごすことができました。
    その後、2年間にわたり放射線治療部門で臨床経験を積み、駒澤大学に博士課程の社会人学生として戻ることを決意しました。博士課程に進学した理由は、将来、医学物理分野の研究者になりたいという強い思いがあったからです。物事を深く考え、新たな知見を見出していく「研究」には、学部、修士課程の頃から楽しさを感じていました。しかし、修士課程修了時には研究者になる決心がつかず、一度は臨床の現場で働く道を選びました。それでも、臨床経験を重ねる中で、研究への熱い思いが消えることはなく、それが博士課程進学の大きな原動力になりました。
    駒澤大学には、臨床現場で使用されている放射線治療装置や治療計画装置が、学生の教育?研究用として設置されています。私は放射線治療計画に関する研究を行っていたため、大学の治療計画装置を徹底的に活用し、積極的に研究を進めることができました。さらに、英語論文の執筆や国内外での学会発表など、駒澤大学に進学したからこそ実現できた経験も数多くあります。医学物理学に精通した先生方と、充実した研究設備のおかげで、数々の試行錯誤を経ながら研究成果を上げることができ、実りある3年間となりました。
    私は、「多くの経験こそが人生を豊かにする」と考えています。大学院では、臨床現場だけでは得られないさまざまな経験を積むことができます。「大学院で多くの経験を得たい」「医学物理士になりたい」「放射線治療の研究をしたい」――そう少しでも考えた方は、ぜひ駒澤大学医学物理研究室の門を叩いてみてください。きっと、将来に向けた新たな景色が広がっているはずです。
  • 2024年度 修士課程 修了

    坂本 拓未 Takumi Sakamoto

    勤務先 ユーロメディテック株式会社 営業部


    駒澤大学の学部1年生のときに、放射線治療に特化した資格である「医学物理士」の存在を知り、その仕事に強く魅力を感じたことが、駒澤大学大学院への進学を決意するきっかけとなりました。
    大学院に進学して最も良かったと感じる点は、困ったときにすぐ相談できる環境が整っていたことです。私はもともと研究がしたくて進学したわけではなかったため、研究活動において悩むことも多くありました。しかし、研究室の先生方は放射線治療の最前線で活躍されており、多忙な中でも親身になって相談に乗ってくださいました。加えて、同期や先輩?後輩との縦のつながりも非常に強く、大学院生活を通じて多くの方々に支えられながら過ごすことができました。
    大学院2年間では、大学での研究テーマに加え、非常勤で勤務していた病院でも研究の機会をいただき、振り返ると、AAPM(米国医学物理学会)をはじめとする7つの学会で研究発表を行うことができました。その中でも、日本放射線腫瘍学会第37回学術大会では、学生?研修医賞という大変光栄な賞をいただきました。
    駒澤大学大学院は、研究に積極的に取り組みたい方はもちろん、自信が持てずに一歩を踏み出せずにいる方にとっても、研究の魅力や最先端の放射線治療の世界に触れるきっかけを与えてくれる場所です。大学院で学んだことや貴重な経験を糧に、これからもさらに成長していきたいと思っています。
    この経験が、進学を迷っている方々に届き、駒澤大学大学院での学びが皆さんの成長の一助となることを願っています。
  • 2023年度 博士課程 修了

    安居 虹希 Kohki Yasui

    勤務先 東京都立駒込病院 放射線物理室


    医学物理士に憧れていた私は、学部4年の時に修士課程への進学を決めました。このときは研究が楽しいとも思っておらず、運よく医学物理士として働けたらなという思いしかありませんでした。そんな気持ちのまま修士課程に進学しましたが、治療装置に関する扱いや線量計測など、色々な経験をしたことで、研究って思いのほか面白いんだなと思い始めました。これは当時お世話になった先生の影響でした。進学しなければ体験できない気持ちの変化であったと思います。医学物理士の試験に合格し、目標を達成したはずの私でしたが、博士課程にも進学することになりました。
    博士課程への進学は修士課程の時のように明確な目標がありませんでした。つまりは「勢い」です。もっと研究がしたい、大学の先生になりたいなどの気持ちは、私には皆無であり、なぜ博士課程への受験手続をしたのかは私自身も覚えていません。ただ一つ、「修士課程を過ごして後悔はしなかったな」と感じ進学することに決めました。幸いにも研究が嫌いではなくなっていたことも、博士課程進学を決めた要因であったかもしれません。博士課程でも様々な経験をしましたが、過ごした3年間で後悔することはありません。
    私は流されるがまま大学院に進学したといっても過言ではありません。ただ、後悔のない選択をしようと心掛けてきました。大学院への進学理由は人それぞれです。また、どんな理由でもいいと思います。大学院は学部?職場ではできない経験が待っています。これは進学した人にしかわかりません。ほんの少しでも大学院進学を考えている方は、ぜひ、まずは修士課程に進学してみてください。何かが変わるかもしれません。
  • 2023年度 修士課程 修了

    加藤 唯斗 Yuito Kato

    勤務先 埼玉医科大学総合医療センター 放射線腫瘍科


    大学院進学を決意したのは、学部4年の夏でした。就職と進学、どちらが自分にとって良い選択なのかを迷っていたのを今でも鮮明に覚えています。大学院と聞くと、勉強や研究の連続で楽しくなさそう、大変そうだと考える方がいると思います。私もそのように思っていました。実際、入学してからの数週間は、自分の選択が正しかったのかと疑問に思うこともありました。
    進学を決めたきっかけは、医学物理士という職業でした。放射線治療の分野で働きたいと漠然と思っていただけだった自分にとって、それは大きな目標となりました。大学院に入学してからの2年間は、あっという間でした。入学前に考えていた日々とは異なり、臨床で使われている治療装置や最新の治療計画装置を使った研究や実習、学会や研究会に参加して人脈を広げるなど、非常に貴重な経験を積むことができました。失敗や苦労もたくさんありましたが、充実した時間でした。今では進学という決断をして本当に良かったと思います。
    専門的な指導を受けることができる先生方や、充実した研究設備があり、放射線治療や医学物理士に興味のある方にとって理想的な環境だと思います。
    最後になりますが、私の経験が大学院への進学を検討している方に、少しでも役に立てればと思います。
  • 2022年度 博士課程 修了

    佐藤 優樹 Yuki Sato

    勤務先 東京医科歯科大学医学部附属病院 放射線部


    私は駒澤大学を卒業後、そのまま修士課程へ進学しました。進学理由は研究をしたかったからではなく、医学物理士になるためでした。医学物理士の資格を取るためには、大学院修了が必須となっています。研究に全く興味がなかった私ですが、産業技術総合研究所で研究をさせていただく機会を頂きました。そこで研究者として働く方々とともに研究を行い、また海外での学会発表を通じて、研究に対する考え方や姿勢が180度変化しました。
    2年ほどの臨床経験をしたあと、働きながら博士課程への進学を決意しました。進学した理由は「単純に研究をしたい」という気持ちが強かったからです。修士課程へ進学したときと比べると、全くの別人です(笑)。しかし、大学院への進学はこのような変化や成長をさせてくれる場所だと感じました。その博士課程も先生方のご指導のおかげで、2022年度に無事修了できました。
    ここまで読み進めると、佐藤優樹という人物は頭の良い人に思われるかもしれません。しかし、実際には高校生のときは赤点連発、大学生のときも飛びっきり成績が良かったわけではありません。そんな私でも修士課程や博士課程を卒業できたのは、「好きなことや興味があることに、とことん取り組める」性格だったからだと思います。研究の世界には、試験問題のように必ず答えがあるわけではありません。答えのない問題に対して、多くの時間を費やし考え続け、自分なりの答えを出す必要があります。そのため、研究で必要なのは頭の良さではなく、「夢中になれる力と継続する力」だと思います。
    2018年に駒澤大学では「駒澤大学-VARIAN放射線治療人材教育センター」が設立されました。放射線治療の研究を行うには、非常にすばらしい環境が整っています。私が大学院へ進学したときにはこのような環境がなかったので、これから大学院へ進学する方は羨ましい限りです。大学院進学を考えている方は、まずは大学院進学相談会に参加してみてはいかがでしょうか。大学院進学は、あなたの未来を変えるはずです。
  • 2021年度 修士課程 修了

    新井 雄 Yu Arai

    勤務先 東京都立駒込病院 放射線物理室


    私が「医学物理士」という職を知ったのは高校時代、当時の担任、副担任に紹介されました。「なんかかっこいい」という単純な印象でしたが、調べるうちにもともと物理学が好きな私には魅力的な職だと感じました。
    医学物理士になるためには大学院への進学が必要です。私は駒澤大学の大学院へ進学するか、他大学の大学院に進学するか悩んでいました。学部時代、駒澤大学に臨床現場で使われる最新の治療装置が教育用に設置されました。ゆえに患者の治療は行わないため、朝から晩まで自由に研究を行うことができます。そこに魅力を感じ、私は駒澤大学への進学を決めました。
    私は大学で多くの失敗をしました。失敗が許される場、それが大学です。病院での失敗は医療事故につながってしまいますが、大学では関係ありません。むしろたくさん失敗を重ねることで、原因の追究をし、乗り越える力が身に付きます。私自身、これを何度も繰り返した経験は非常に濃いものになりました。
    私は現在、医学物理士として放射線治療に従事しています。駒澤医学物理グループへの参加をお待ちしております。
    • 2020年度 修士課程 修了

      畠山 和志 Kazushi Hatakeyama

      勤務先
    • 聖マリアンナ医科大学病院 放射線管理室


    • 医学物理士という職種は学部3年頃に知りました。医学物理士は、放射線治療分野では高精度放射線治療の治療計画や治療装置の品質管理等を行います。患者さんの治療を支える重要な立場の仕事に惹かれ、医学物理士を目指すため大学院に進学しました。
      駒澤大学には、医療用直線加速器TrueBeam(Varian Medical Systems)に加えて治療計画装置Eclipse(Varian Medical Systems)、放射線治療情報システムARIA(Varian Medical Systems)等が設置されており、また検出器や測定機器が充実しているため、より実践的に医学物理士に必要な知識や技術を学べる場所だと思います。私は大学院では線量測定技術や品質管理を中心に学びました。
      現在は聖マリアンナ医科大学病院にて、医学物理士業務と放射線取扱主任者業務を兼業で行っています。まだまだ勉強中ではありますが、大学で学んだ知識や技術を生かしながら業務にあたっています。
      最後に、この文章を読んだ方が大学院進学を希望していただければ幸いです。
    • 2019年度 修士課程 修了

      渡辺 翔太 Shota Watanabe

      勤務先
    • 神奈川県立がんセンター 放射線治療技術科


    • 医療健康科学部から大学院に直接進学し、およそ5年間こちらの研究室に在籍した私の経験をお伝えします。私は高校生の頃にこの分野への進学を決めました。当時は「物理学」と「医学」に興味があっただけでその先のことは深く考えておらず、学部生として勉強を進める中で「医学物理」の存在を知りました。
      学部から大学院への進学を悩まれる方は多いと思います。私もその一人でした。様々な障害を乗り越えてでも進学を望んだのは、医学物理学の技術進歩の速さに驚き、その発展に携わりたいと思ったからです。そのため最新の装置、測定機器の揃ったこの大学はあまりにも魅力的でした。
      私が大学院へ進学する年に「駒澤大学-VARIAN 放射線治療人材教育センター」が開設されました。駒澤大学のリニアックは臨床用に用意されたものではないため、好きなタイミングで使用することが可能です。得られたデータを自分でまとめて研究室のメンバーと討論し、いただいた意見を参考に次に繋げるといった活動を何度も繰り返した日々は、今の私にとって重要な経験となっています。失敗もたくさんしましたが、そこから学ぶことは非常に多かったです。
      医学物理に関する専門性の高い教育と先生方の熱心な指導により、医学物理士認定試験に合格し、修士号も取得することができました。拙い文章ではありますが、少しでも興味がありましたら一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

      ※ 記載されている勤務先は大学院修了時のものです。現在と異なる可能性があります。