2006年 5月30日 谷貝 浩章
梅田望夫『ウェブ進化論―――本当の変化はこれから始まる』2006年2月10日発行
第一章「革命」であることの真の意味
オープンソースと三大潮流
n 何ら素晴らしい知的資産の種がネット上で無償公開されると世界中の知的リソースが自発的にその種の周囲に自発的に結びつく。
n モチベーションの高い優秀な才能が自発的に結びついた状態ならいかなる難題であってもそれに関する情報を共有するだけで中央集権的なリーダーシップが無くても解決できる。
→オープンソースの本質
n オープンソース開発者人口が今では世界で二百万人を超える
ネット世界の三大法則
インターネット、チープ革命、オープンソースの三大潮流が相乗効果を起こし、三大法則というルールに基づき、ネット世界は発展する。
第一法則:神の視点からの世界観
→全体を俯瞰する視点
n ネット事業者は不特定多数無限大の顧客がそのサービスを利用して何をしているのかを把握できる。
n 検索エンジン提供者は世界中のウェブサイトに何が書かれているかが分かり、人々が何を知りたがっているかも分かる。
第二法則ネット上に作った分身が金を稼いでくれる新たな経済圏
→「ネット上にできた経済圏に依存して生計を立てる生き方」の追求
ネット上に自分の分身(ウェブサイト)を作る事でその分身が勝手に稼いでくれる。
☞アドセンスに登録することで得られる収入など。
第3法則:≒無限大×≒ゼロ=something―――消えて失われていったはずの数の集積
→無に近いものを無限大に限りなく近い対象から無限大に限りなく近いコストで集積すること。←インターネットの可能性の本質でもある
不特定多数無限大の人々とつながるためのコストがほぼゼロになった。
第二章グーグル------------------------ 知の世界を再編成する
1. 世界中の情報を整理し尽す
→世界中の情報を整理し誰からでもアクセス可能にする。
例)グーグルアース:無料でダウンロード可能で、世界中の衛星写真(ズーム等可能)や大都市であれば建物の意味を示す情報つきの画像をパソコンで見ることが可能。
世界中の情報の整理=言語間の壁を取り払う技術の必要性
→言語を意識せずにインターネットを使えるようにする事がグーグルの最重要課題であると共にゴール地点。
2. ネットのあちら側とこちら側
こちら側=ユーザー、あちら側=情報発信源
こちら側からあちら側への比重の変化
メールをあちら側に保存
グーグルが作るバーチャル経済圏
3. アドセンスというグーグルのビジネスモデル
ネット上に作った自分の分身が金を稼いでくれるという新たな経済圏の具現化
新たな富の分配メカニズム
4. グーグルの組織マネジメント
あらゆる情報を5000人の社員全員が共有。情報共有を前提とした組織原理。
通常組織内では情報は隠蔽が基本別の部署でないが起きているのかや、トップが何を議論しているのかなどは一切不明。誰かが開示してもOKと判断したものだけ開示される。そんな環境で仕事をしているから貴重な情報を握ってコントロールすることが生き抜く原則。
5. 既存のネット会社とは一線を画すグーグル
グーグルの目指すべきは、一度動き出したら人間の介在なしに自動的に事を成す世界。今は未完成なのでやむなく人間の介在を我慢しているが極力さけたい。
例)グーグルニュース:ネット上のニュースサイトを全て巡回して内容の緊急性・重要性を自動判断し、自動編集する。一連の作業に人は一切介さない。
第三章 ロングテール
アマゾンコムとロングテール
ネット書店によりロングテール論が覆る→米国最大のリアル書店は在庫が13万タイトル(=売り上げ上位13万位まである)との事だがアマゾンコムが売り上げの半分以上を13万位以下から上げていると発表。→ロングテールに埋もれた名作の発掘。恐竜の首派とロングテール派の対立
グーグルとロングテール
前章で説明したアドセスのロングテール部分は売れていないいわゆる負け犬ではなく未知の可能性を持った存在が並ぶ。誰でも参加可能。つまりグーグルのロングテールは広告になど一度も関与したことのない人という未知の可能性を秘めた新市場の追求。